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VPN装置の更改とゼロトラスト型アクセスへの移行

オリジナル1問3答目安 18分

Q社は,本社と2か所の工場をもつ産業機械部品メーカーであり,従業員の多くはテレワークを併用している。Q社の情報システム部(以下,情シスという)は,現在のSSL-VPN装置(以下,VPN装置という)の保守が来年3月に終了することから,ゼロトラストの考え方に基づくアクセス方式へ移行することにした。担当は情シスのKさんである。

〔現在の構成〕

表1 現在の主な機器(抜粋)

機器設置場所概要
FW本社インターネット,DMZ,本社LAN,サーバセグメントの間の通信を制御する。工場LANは閉域網で本社LANと接続
VPN装置DMZテレワーク中のPCからのSSL-VPN接続を受け付ける
プロキシサーバDMZ本社・工場及びVPN接続中のPCのWeb閲覧を中継する
内部DNSサーバサーバセグメント社内ドメイン in.q-sha.example の名前を解決する。それ以外の名前は,インターネット上のDNSサーバに問い合わせて解決する
生産管理サーバサーバセグメント生産管理システム(https://seisan.in.q-sha.example/ ,443/TCP)
ファイルサーバサーバセグメント部門共有フォルダ(files.in.q-sha.example,445/TCP)

〔移行後の構成〕

Kさんは,SASEサービスであるZサービスと,IDaaSであるIサービスを採用する案を作成した。Zサービスの仕様(抜粋)を表2に示す。

表2 Zサービスの仕様(抜粋)

項番機能仕様
1エージェントPCに導入する。PCからインターネット宛てのHTTP/HTTPS通信をSWG機能に,アクセスポリシーに登録した業務アプリ宛ての通信をZTNA機能に転送する。また,PCの状態(MDMへの登録の有無,OS更新プログラムの適用状況,EDRの稼働状況)を定期的にZサービスに報告する
2SWGURLフィルタリングとマルウェア検査を行う。HTTPS通信にはTLS検査(通信を復号して検査し,Zサービスの認証局が発行した証明書を用いて再暗号化する)を行う。PCには,Zサービスの認証局のルート証明書を信頼済みとして登録しておく必要がある。TLS検査の対象外とする宛先ドメインを登録できる。対象外とした通信も,宛先ドメインによる許可・拒否の判定は行われる
3ZTNA社内に設置したコネクタが,起動時にZサービスに対して443/TCPで外向きのTLS接続を確立し,維持する。PCから業務アプリ宛ての通信は,Zサービスを経由し,この接続を通じてコネクタに届けられ,コネクタが業務サーバに中継する。ZTNA機能の対象は社内の業務サーバに限り,インターネット上のサービス宛ての通信はSWG機能が処理する。コネクタは,業務アプリのホスト名を,設置時に指定したDNSサーバで名前解決する
4アクセスポリシー業務アプリへの通信の都度,Iサービスでの認証結果と,エージェントが報告したPCの状態を基に,ポリシーを順位の高い(数字の小さい)ものから評価し,最初に条件が一致したポリシーの動作を適用する。適用したポリシーの名称はアクセスログに記録される

移行は2段階で行う。第1段階では,テレワーク中のPCをZサービスに切り替え,VPN装置を撤去する。本社と工場のPCは,第2段階でZサービスのSWG機能に切り替えるまで,プロキシサーバを使い続ける。コネクタはDMZに設置し,DNSサーバとして内部DNSサーバを指定する。

〔FWルールの見直し〕

Kさんは,第1段階の完了後(VPN装置の撤去後)に適用するFWのルール案を表3にまとめた。

表3 第1段階完了後のFWのルール案(抜粋)

項番送信元宛先サービス動作
1本社LAN,工場LANプロキシサーバ8080/TCP許可
2プロキシサーバインターネット80/TCP,443/TCP許可
3内部DNSサーバインターネット53/UDP,53/TCP許可
4コネクタインターネット443/TCP許可
5インターネットコネクタ443/TCP許可
6コネクタ生産管理サーバ443/TCP許可
7コネクタファイルサーバ445/TCP許可
8コネクタ内部DNSサーバ53/UDP,53/TCP許可
9全て全て全て拒否

注記1 FWはステートフルインスペクション型であり,許可した通信に対する応答の通信は自動的に許可される。

情シスのL課長は表3を確認し,"表3には不要なルールが一つある。残しておくと攻撃を受ける余地が広がる"と指摘した。

〔アクセスポリシーの試行〕

情シスは表4のアクセスポリシーで試行を行った。情シスの従業員は"情シス"と"全社員"の両方のグループに所属している。保守委託先の作業者は"保守委託先"グループに所属する。

表4 アクセスポリシー(試行時)

順位名称宛先の業務アプリ利用者グループPCの条件動作
1P-試行全て情シス条件なし許可
2P-保守生産管理保守委託先条件なし許可
3P-社員全て全社員【 a 】許可
4P-既定全て全て条件なし拒否

注記 全てのポリシーで,Iサービスでの多要素認証の成功を条件に含めている。

試行中のアクセスログの抜粋を図1に示す。

時刻   利用者ID  グループ        PC名     PCの状態(MDM/OS更新/EDR)  宛先    結果  適用ポリシー
09:02  u1021     全社員          PC-0412  登録/適用済み/稼働       seisan  許可  P-社員
09:15  u1088     全社員          PC-0533  登録/未適用/稼働         files   拒否  P-既定
09:22  u1130     全社員          PC-0587  登録/適用済み/停止       seisan  拒否  P-既定
09:31  u1100     全社員          HOME-77  未登録/適用済み/稼働     seisan  拒否  P-既定
09:40  v0003     保守委託先      VEN-01   未登録/適用済み/未導入   seisan  許可  P-保守
10:05  v0003     保守委託先      VEN-01   未登録/適用済み/未導入   files   拒否  P-既定
10:30  u0007     情シス,全社員   HOME-12  未登録/未適用/未導入     files   許可  【 b 】

図1 アクセスログ(抜粋)

注記 seisan は生産管理システム,files はファイルサーバを表す。HOME-77 と HOME-12 は私有PCである。

〔TLS検査の確認〕

試行中,テレワーク中のPCでは,Webブラウザによるインターネット上のWebサイトの閲覧は問題なく行えた。しかし,経費精算サービス(クラウドサービス)の専用アプリだけが接続に失敗した。そのエラーログを図2に示す。

ERROR connect api.keihi-svc.example:443
ERROR server certificate chain: CN=api.keihi-svc.example <- CN=Z Service Inspection CA
ERROR public key pin mismatch (expected: sha256/****) - connection aborted

図2 専用アプリのエラーログ(抜粋)

提供元によると,専用アプリは,接続先サーバの公開鍵がアプリに組み込まれた値と一致しない場合,接続を中止する実装(公開鍵ピンニング)であり,この動作は変更できないとの回答であった。Kさんは,【 c 】ことにした。

設問1

本文中のL課長の指摘について,表3の不要なルールとその理由の組合せとして適切なものはどれか。解答群のうち,最も適切なものを選べ。

解答群

設問2

表4中の【 a 】に入れる字句と,図1中の【 b 】に入れるポリシーの名称の組合せはどれか。図1のアクセスログは,表4のポリシーどおりに評価された結果である。解答群のうち,最も適切なものを選べ。

解答群

ab
アMDMに登録済み,かつ,OS更新適用済みP-試行
イMDMに登録済み,かつ,OS更新適用済みP-社員
ウMDMに登録済み,かつ,OS更新適用済み,かつ,EDR稼働P-試行
エMDMに登録済み,かつ,OS更新適用済み,かつ,EDR稼働P-社員
オMDMに登録済み,かつ,EDR稼働P-試行
カMDMに登録済み,かつ,EDR稼働P-社員
キOS更新適用済み,かつ,EDR稼働P-試行
クOS更新適用済み,かつ,EDR稼働P-社員

設問3

本文中の【 c 】に入れる,Kさんの対処として適切なものはどれか。解答群のうち,最も適切なものを選べ。

解答群

正解 0 / 解答 0(全3設問)

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