設問1
〔インシデントの発生と初動〕の本文中の下線①について、L課長がサーバの電源を切らずにネットワークから切り離した理由を、30字以内で答えよ。
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オリジナル問題です(IPA の過去問ではありません)。AI が作成し、技術・規格の主張は一次情報で確認しています。本番とは出題の癖が違うことがあります。
K社は、従業員280名の精密部品メーカーであり、本社工場と第2工場で自動車部品向けの加工品を生産している。情報システム課は L課長と M主任の2名で、サーバとネットワークの運用を担当している。サーバの保守は保守ベンダT社に委託している。K社は、セキュリティ対策の相談先としてセキュリティベンダS社と契約しており、S社の情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)である P氏が支援を担当している。
〔K社のシステム構成〕 K社の主な機器を表1に、バックアップの設計を表2に示す。
表1 主な機器(抜粋)
| 機器名 | 役割 | 設置場所 | 備考 |
|---|---|---|---|
| VPN-GW | SSL-VPN装置(リモートアクセス用) | DMZ | 営業職と T社が利用する。認証は利用者IDとパスワードだけである。VPN接続後はサーバセグメントへの全ての通信を許可している。接続した端末には 10.8.0.0/24 のアドレスを割り当てる |
| AD1 | ドメインコントローラ、DNSサーバ | サーバセグメント | ドメイン名は k-sha.local |
| FS1 | ファイルサーバ(約4Tバイト) | サーバセグメント | ドメインに参加。設計図面や見積書を保存 |
| ERP1 | 生産管理システム(DBを含む) | サーバセグメント | ドメインに参加。工場の生産設備端末に作業指示を送信 |
| BK1 | バックアップサーバ | サーバセグメント | ドメインに参加。バックアップソフトはドメインアカウント svc-bk(Domain Admins に所属)の権限で動作 |
| NAS-BK | バックアップ保存用NAS | サーバセグメント | 共有フォルダ \NAS-BK\backup を、BK1 に svc-bk の認証で書込み可能なネットワークドライブとして常時接続 |
| PC | 業務用PC 約250台 | 業務セグメント | EDR を導入済み。サーバには予算の都合で EDR を導入しておらず、従来型のウイルス対策ソフトだけである |
| 生産設備端末 | 工作機械の制御 | 工場セグメント | ファイアウォールで分離。ERP1 からの作業指示の受信だけを許可 |
注記 T社の作業用に、VPN-GW の利用者ID maint01 と、Domain Admins に所属するドメインアカウント maint01 を用意している。T社の担当者が覚えやすいよう、両者には同じパスワードを設定している。maint01 は T社の担当者3名が共用している。
表2 バックアップ設計表
| 対象 | 方式 | 保存先 | 世代数 | 復元時間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| AD1 | システム状態のフルバックアップ(毎日 01:00) | NAS-BK | 7 | 2時間 |
| FS1 | 毎週日曜のフル+毎日 01:00 の増分 | NAS-BK | 4週分 | 20時間 |
| ERP1 の DB | フルバックアップ(毎日 00:30) | NAS-BK | 7 | 4時間 |
| ERP1 の DB(複製) | NAS-BK 上の当日分を毎日 02:00 にクラウドストレージへ転送。転送先にはオブジェクトロック(保持期間14日。期間中は管理者権限でも削除・上書き・解除ができない)を設定。保持期間を過ぎた世代は自動削除 | クラウドストレージ | 14 | 8時間(ダウンロードを含む) |
| ERP1 の OS・アプリケーション | 取得していない(導入手順書から再構築) | − | − | 2日 |
注記 BK1 のバックアップソフトの管理画面には、svc-bk のパスワードでログインする。テープ装置は2年前に廃止した。
〔インシデントの発生と初動〕 10月3日(土)の6時頃、第2工場の夜勤の担当者から、ERP1 にアクセスできないと L課長に連絡があった。L課長がリモートで確認したところ、FS1 のファイルの拡張子が全て .lkx に変わっており、各フォルダに脅迫文のテキストファイルが置かれていた。脅迫文には、データを暗号化したこと、社内のデータを窃取したこと、72時間以内に暗号資産で支払わなければデータを公開することが書かれていた。
L課長は出社後、P氏に連絡したうえで、次の初動を行った。
P氏の助言を受け、K社は警察に相談した。また、FS1 には従業員と取引先担当者の個人データが保存されていたので、個人情報保護委員会への報告の準備を始めた。
〔調査〕 P氏は、S社のチームと保全したログを調査した。VPN-GW のログの抜粋を図1に、AD1 と BK1 の Windows イベントログの抜粋を図2に示す。BK1 では、プロセス作成の監査とコマンドラインの記録を有効にしていた。
図1 VPN-GW のログ(抜粋)
日時 利用者ID 送信元IPアドレス 結果 割当アドレス
09-26 02:14:08 maint01 203.0.113.45 成功 10.8.0.21
09-26 02:39:51 maint01 203.0.113.45 切断 10.8.0.21
10-03 01:52:10 maint01 203.0.113.45 成功 10.8.0.21
図2 Windows イベントログ(抜粋)
日時 機器 イベントID 内容
09-26 02:20:33 AD1 4624 ログオン成功 TargetUserName=maint01 LogonType=10 IpAddress=10.8.0.21
10-03 02:05:12 BK1 4624 ログオン成功 TargetUserName=maint01 LogonType=10 IpAddress=10.8.0.21
10-03 02:41:02 BK1 4688 プロセス作成 vssadmin.exe delete shadows /all /quiet
10-03 02:42:30 BK1 4688 プロセス作成 bkcli.exe catalog delete --all
10-03 02:47:15 BK1 (バックアップソフト) クラウドストレージ上の全バージョンの削除要求: 拒否(オブジェクトロック)
10-03 02:55:40 BK1 4688 プロセス作成 C:\Users\Public\lk.exe \\NAS-BK\backup \\FS1\share \\ERP1\d$ \\AD1\c$
注記 bkcli.exe は、バックアップソフトのコマンドラインツールである。
T社に確認したところ、図1の日時に VPN 接続した担当者はいなかった。保全した30日分の VPN-GW のログには、maint01 の接続は図1の3件以外になく、他の利用者IDにも不審な接続は見当たらなかった。VPN-GW の製造元は、9月10日に、認証前の攻撃者が装置の設定ファイル(登録された利用者のパスワードを含む)を読み出せる脆弱性と、その修正版ファームウェアを公表していた。K社は、工場の稼働への影響を避けるため、修正版の適用を10月10日の定期保守で行う予定にしていた。
P氏は、次のように分析した。攻撃者は、脆弱性を悪用して maint01 のパスワードを入手し、VPN 接続した。その後、図2の LogonType の値から、AD1 に【 a 】でログオンしたと考えられる。約1週間後、攻撃者は BK1 にログオンし、Windows の【 b 】とバックアップのカタログを削除して復元を妨げたうえで、暗号化を実行した。
調査の結果、NAS-BK 上のバックアップファイルは全て暗号化されていた。一方、クラウドストレージ上の ERP1 の DB の複製は、削除要求が拒否されていたため、9月20日分から10月3日分までの14世代が残っていた。
〔復旧の計画〕 L課長は、P氏と復旧の計画を検討した。AD1 は侵害されており、AD1 のバックアップも残っていないので、新しいドメインコントローラ AD2 を構築し、ドメインを新規に作ることにした。検討した復旧順序の表を表3に示す。
表3 復旧順序検討表
| 対象 | 復旧方法 | 依存先 | 業務への影響 |
|---|---|---|---|
| ERP1 | OS とアプリケーションを新規に導入し、クラウドストレージ上の複製から DB を復元 | AD2(利用者認証)、DNS | 停止中は生産指示ができない |
| FS1 | 新規に構築し、各部署の PC や取引先に残るデータを回収 | AD2(利用者認証) | 図面を参照できない |
| AD2 | 新規に構築。DNS サーバを兼ねる | なし | 全サーバの認証基盤 |
L課長は、表3の依存先を踏まえ、【 c 】、ERP1、FS1 の順に復旧することにした。ERP1 の DB は、侵入開始より前に取得した9月26日分までは安全と判断できるが、それ以降のデータが失われる。そこで、10月3日分を隔離した検証環境に復元し、不審な変更がないことを確認してから利用する方針とした。
P氏は経営会議に先立ち、IPA の「ランサムウェア被害から学ぶ教訓集」のコラムで紹介されている警察庁の説明(身代金の支払いは犯罪グループ等の活動資金となることが懸念される、支払っても暗号化されたデータの復号が保証されるわけではない)を、経営層に資料として共有していた。経営会議では、社長から「身代金を支払えば早く復旧できるのではないか」という質問があり、P氏が説明を行った。K社は身代金を支払わないことを決めた。
〔再発防止策〕 P氏は、予算と人員の制約を踏まえ、次の再発防止策を提案した。
設問1
〔インシデントの発生と初動〕の本文中の下線①について、L課長がサーバの電源を切らずにネットワークから切り離した理由を、30字以内で答えよ。
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設問2(1)
〔調査〕について答えよ。 (1) 本文中の【 a 】、【 b 】に入れる適切な字句を答えよ。
設問2(2)
(2) 攻撃者が、VPN接続の後に AD1 へドメイン管理者の権限でログオンできた理由を、表1の注記を踏まえて60字以内で答えよ。
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設問3
〔調査〕について、NAS-BK 上のバックアップまで暗号化された原因となる K社の設計上の問題を、表1の記載から二つ挙げ、それぞれ40字以内で答えよ。
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設問4
〔復旧の計画〕の本文中の【 c 】に入れる適切な機器名を、表3から答えよ。
設問5
〔復旧の計画〕の本文中の社長の質問に対する P氏の説明として適切なものを、解答群の中から全て選び、記号で答えよ。 解答群 ア 身代金を支払えば復号鍵が提供されるので、全てのデータの復旧が保証される。 イ 身代金を支払っても、窃取されたデータの公開が中止される保証はない。 ウ ERP1 はクラウドストレージ上の複製から DB を復元できる見込みがあり、身代金の支払いを前提にしなくても生産再開の道筋がある。 エ 身代金を支払う場合は、警察への相談や個人情報保護委員会への報告は不要になる。 オ 警察庁は、支払われた金銭が犯罪グループの活動資金となることへの懸念を示している。
設問6(1)
〔再発防止策〕について答えよ。 (1) 本文中の下線②について、この対策によって防げるようになることを、40字以内で答えよ。
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設問6(2)
(2) 本文中の下線③について、保持期間を決める際に考慮すべき点を、図1と図2から読み取れる今回の経緯を踏まえて、40字以内で答えよ。
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自己採点: ◯ 0 / △ 0 / ✕ 0(全8設問)
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